2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J05565
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷部 圭彦 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 近代史 / 教育史 / オスマン帝国 / 国際情報交換 / トルコ |
Research Abstract |
平成19年度は、海外調査を1回、学会・研究会発表を4回、雑誌投稿を1回行った。 1.海外調査 夏季休暇中にトルコ共和国イスタンブル市に一カ月半滞在し、市内各地の研究機関において史・資料を収集した。とくに総理府オスマン文書館においては、留学中は未公開であったいくつかの文書史料を閲覧・複写することができた。またトルコ語の研究書・工具書も、特別研究員奨励費によって大量に購入することができた。 2.学会・研究会発表と雑誌投稿 このような調査に基づいて、今年度は学会・研究会発表を4回行った。まず「教育史学会」(9月)では、オスマン帝国における羲務教育制度の導入過程を、新出の文書史料をも用いて明らかにした。報告後は、質疑応答での議論を踏まえて、同学会の機関誌である『日本の教育史学』に投稿した。次に「東洋文庫現代イスラーム研究班・トルコ班」(1月)では、義務教育制度を実現すそために必要な初等師範学校について報告した。これは、教育史学会においては時間の関係で触れることができなかった教員養成の問題を、発表場所をあらためて論じたものである。 続いて「大学・学部研究会」(2月)では、オスマン帝国における総合大学の設立過程について検討した。この研究会は、明治大学人文科学研究所が刊行する研究叢書の執筆者会議でもあり、私はオスマン帝国の事例を担当する。この共同研究の成果は、平成22年3月までに書籍として刊行される予定である。最後に「比較教育社会史研究会」(3月)では、オスマン帝国において近代フランスの教育モデルがどのように受容されたのかを論じた。その結果、フランスモデルは換骨奪胎された形でオスマン帝国に移植されたことが明らかになった。 以上のように、本年度は、研究実施計画にほぼ沿った形で研究を遂行することができた。次年度は、こうした既発表の内容を、博士論文としてまとめたい。
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Research Products
(4 results)