2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内でのタンデム有機反応によるタンパク質のバイオセンサーへの機能化
Project/Area Number |
07J05621
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高岡 洋輔 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | タンパク質 / 生物有機化学 / 赤血球 / アフィニティーラベル化 / 炭酸脱水酵素 / バイオセンサー / 19F-NMR / 薬剤スクリーニング |
Research Abstract |
申請者はタンパク質のバイオセンサー化を、細胞内でそのまま構築する手法を開発し、より詳細なタンパク質の機能解明の実現を目的として研究を行った。その結果、一昨年度において細胞内在性の標的タンパク質に特異的な化学修飾法の開発と、そのままバイオセンサー化することに成功した。 細胞内で標的タンパク質特異的に化学修飾する方法として、タンパク質のリガンド認識を利用したアフィニティーラベル化が知られている。しかし、この方法はラベル化後にリガンドが共有結合的に残存するため、タンパク質は失活状態にある。そこで新たな戦略として、反応基にスルホン酸エステルを用い、ラベル化においてSN2求核置換反応を用いることで、ラベル化後にリガンドが切り離される手法を開発した。本手法を赤血球に内在する炭酸脱水酵素(hCA)に適用した結果、hCAにのみ部位特異的に蛍光ラベル、あるいは近年in vivoイメージングにおいて注目を集めている19F-NMRプローブを導入した。細胞内で部位特異的に19F-ラベルしたhCAは、そのままhCAの阻害剤バイオセンサーとして機能することを確認した。ただし、一昨年度までは、hCAの阻害剤認識を微細なケミカルシフト変化で読み出きなければならず、NMRスペクトルでの評価にとどまっていた。さらに昨年度においては、この19F-ラベル化hCAの機能評価を詳細に行った結果、このケミカルシフト変化をOff/Onスイッチ型の機構へと改変することに成功し、MRIによる可視化を期待させる結果を得た。これらの結果については今年度中に論文投稿する予定である。
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Research Products
(6 results)