2007 Fiscal Year Annual Research Report
気相-液相界面プラズマ電場を利用した高次構造超分子の創製
Project/Area Number |
07J05625
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
馬場 和彦 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | プラズマ / イオン液体 / 気相-液相界面 / プラズマイオン照射 |
Research Abstract |
プラズマ(気相)-イオン液体(液相)界面のプラズマシース電場を利用したDNA内包カーボンナノチューブに代表される高次構造超分子を創製することを目的に,最重要課題として位置付けていた気相-液相界面でのプラズマシース電場,イオン挙動(プラズマイオン照射)について低気圧環境下の定量的観測を基に考察した結果,以下のことを明らかにした. 1.気相-液相界面プラズマの電位構造 気相-液相界面近傍のプラズマシース電場の有無を明らかにする目的で,気相・液相領域にPtワイヤープローブを導入して電極間の電位構造を観測した.イオン液体中下部設置のPt板電極の電位とイオン液体中央領域の電位が同程度の値となり,これに気相の空間電位を考慮すると,気相-液相領域に急峻な電位勾配が形成されていることを明らかにした.従って,液体プラズマプロセスにおけるイオン挙動(プラズマイオン照射)を定量的に扱える実験配位を実現したと言える. 2.液相領域(イオン液体電極) イオン液体電極をカソード・アノードとした場合,両極性共に安定な直流放電プラズマの生成が実現された.特にカソードの場合にイオン液体色の顕著な変化が観測され,照射時間や照射エネルギー等を能動的に制御してイオン液体のUV-visスペクトル解析による定量的な観測を行い,プラズマイオン照射とイオン液体の関係を明らかにした. 3.気相領域(直流放電プラズマ) 上述と同様,イオン液体電極をカソードとした場合に,イオン液体からの二次電子放出に伴う気相プラズマの電子密度の上昇,イオン液体の正イオン構成元素であるCHスペクトル等が観測され,プラズマイオン照射が起因となる諸現象を見出した.これらの結果は,ナノ物質創製場と位置付けられる気相-液相界面におけるイオン・ラジカル関与の反応プロセスへの利用に大きく寄与すると考えられる.
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Research Products
(16 results)