2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J05629
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
吉田 晋一 Okayama University, 大学院・環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 耕作放棄 / 農産物価格 / 農家行動 / 目標計画法 |
Research Abstract |
農家の高齢化、担い手不足等を背景に耕作放棄地は増加している。耕作放棄地の増加は、我が国の農業生産、ひいては食料安全保障にも悪影響を及ぼし、耕作放棄の抑制は農政の重要な課題である。近年,米をはじめ,多くの農産物の価格は低迷している.そして,さらなる農産物価格低下によって耕作放棄地が増加することが懸念されている. そこで,本研究では,岡山県高梁市有漢町S集落を対象として,(1)まず,農家主体均衡論を基に,目標計画法を用いて,農家行動をモデル化した.(2)次に,このモデルを用いて,各農産物価格が低下した場合の耕作放棄行動をシミュレーション予測した.(3)さらに,諸耕作放棄抑制対策による耕作放棄抑制効果と,政策実施に必要な費用とを推測した. 分析結果から以下の示唆を得た. 1)米価が現状から20%低下しても耕作放棄は発生しないと予測される 2)省力的な作物である小麦価格が現状から20%低下すると耕作放棄が発生すると予測される 3)耕作放棄を抑制するためには,作付もしくは保全管理されている農地に面積当たり一定額の補助金を支払うことが有効である 4)また,耕作放棄を抑制するためには,省力的な作物・農地利用の開発・普及が重要である 本研究は,WTO交渉などに関連して農産物価格低下が懸念されるなか,農産物価格が低下することによって耕作放棄が増加することを示した.また,耕作放棄抑制対策を検討した.また,本研究で農家行動をモデル化した方法は,独自の方法であり,これまでの方法に比べ,短期間・低予算で分析することができる.
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Research Products
(2 results)