2007 Fiscal Year Annual Research Report
半導体基板上金属ナノ薄膜における量子化された電子状態と輸送現象
Project/Area Number |
07J05640
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永村 直佳 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 量子薄膜 / 1次元系 / 4探針STM |
Research Abstract |
半導体基板上に作成された、膜厚が数nm程度のエピタキシャルな金属超潮莫は、量子サイズ効果を示すことが知られている。今までに私は、Si(111)4x1-In上に成長させた銀薄膜が擬il次元的量子化準位を持つことを発見し、このような特異的量子薄膜の輸送特性解明のために低温型独立駆動4探針STM装置を開発してきた。 本年度は主に装置の改良とセットアップを行った。具体的には1.RHEEDでその場観察しながら幅広い温度領域(45K〜1500K)で試料が作成できるように試料準備室を改良12、4探針各ユニットの修理と動作確認3.測定系(ソフトウェア)のセットアップ等である。 試料準備室ではRHEEDの強度振動を測れる仕様になっており、Si(111)4xHn上に酸素と水素を曝露した際の超構造相転移温度変化を観測した。 最近予備実験として、界面超構造として利用するSi(111)4x-Inの室温測定で異方性を確認することができた。 そこで今年度はこの研究の大きな目標である「超構造による薄膜制御の可能性を輸送特性により開拓する」ことに向け、様々な表面超構造、超構造上に作成した量子薄膜、ナノワイヤー等の電気伝導度測定をμmからnmのオーダーの4端子測定法で行う。同時にSTMを用いて新奇的系の探索も行いたい。4端子測定の温度依存性や探針間隔依存性を測ることで、遅延グリーン関数の実空間マッピングをはじめ、フェルミ面のトポロジカル相転移、表面パイエルス転移、局在現象など、未だに解明されていないか直接観測された例のない低次元系の物理現象を解明、観測できることが期待される。
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