2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J05683
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清川 泰志 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 警報フェロモン / 驚愕反応 / 揮癸性分子 / 不安 / ベンゾジアゼピン / CRF / 安寧フェロモン / 恐怖条件付け |
Research Abstract |
本年度に得られた成果の概要は以下の通りである 1.フェロモン分子の化学特性の検討:フェロモン分子同定への前段階として、その揮発性およびフェロモン含有水濃縮の可能性を、最も簡便な生物検定法である聴覚性驚愕反応試験を用いて検討した。その結果、フェロモン含有水に直接接触できなくても被験動物は驚愕反応の増強を示すことが明らかとなったため、警報フェロモンは揮発性の物質であることが示された。また、加熱濃縮したフェロモン含有水でも、被験動物に同様の反応を引き起こしたため、フェロモン含有水を濃縮することが可能であるということか明らかとなった。 2.フェロモン作用の検討:警報フェロモンは体温上昇反応の増強、驚愕反応の増強および防御行動や危険評価行動の増加といった、実験系に応じた様々な反応を引き起こすことから、その第一義的な作用は受容動物における不安の惹起であることが推察された。この可能性を検討するため、聴覚性驚愕反応試験を用いて、警報フェロモン作用における抗不安薬の効果を観察した。ベンゾジアゼピンやCRF拮抗薬等の事前投与により、警報フェロモンの作用を阻害できたことから、警報フェロモンの作用は受容動物における不安の惹起であることが示唆された。 3.安寧フェロモン解析のための実験系の確立:警報フェロモン分子解析の際に混入してしまう安寧フェロモンに対する理解を深めるため、その効果を観察できる実験系の確立を目指した。恐怖条件付けをした被験動物に条件刺激を提示する際、単独で提示する群と、他個体と一緒に提示する群とでその反応を比較したところ、他個体と一緒に提示すると恐怖条件反応が大幅に緩和されることが明らかとなったことから、この評価系は安寧フェロモン解析に用いることが可能であると考えられた。今後、より洗練された実験系へと改良を加えていく予定である。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] Enhancement of the acoustic startle reflex by an alarrn pheromone in rats2007
Author(s)
Inagaki, H., Kiyokawa, Y., Kikusui, T., Takeuchi, Y., Mori, Y.
Organizer
International Society for Neuroethology, Eighth Internati Qnal Congress of Neuroethology
Place of Presentation
Vancouver,Canada
Year and Date
2007-07-26
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