2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J05683
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清川 泰志 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 警報フェロモン / 驚愕反応 / 揮発性分子 / 水溶性 / Tenax / 安寧フェロモン / 主嗅覚系 / 前嗅核 |
Research Abstract |
本年度に得られた成果の概要は以下の通りである 1.フェロモン候補分子の絞り込み及び同定 これまでの研究により確立した吸着剤(Tenax)及び提示方法(濾紙に滴下)を用いてフェロモン陽性試料を準備し、それを分画していくことで警報フェロモン分子の候補を絞り込んだ。しかしながら、その結果同定できた4つの候補物質にはフェロモン活性が認められない事が明らかとなった。そのためフェロモン陽性試料を分画していくことでフェロモン候補物質を絞り込むという方法を見直し、フェロモン陽性試料において容易に同定された化学物質を全て購入及び合成し、それらをブレンドして作製したサンプルにフェロモン活性が存在するかを検討することとし、現在解析中である。 2.安寧フェロモン解析のための実験系の改良 前年度に確立した安寧フェロモン評価系を用いて、安寧フェロモンに対する理解を深める目的で実験を行った。主嗅覚系で受容された安寧フェロモン情報がどのような経路を辿り扁桃体へと伝達されているかを解析するため、主嗅球から直接的な投射を受けている核の一つである前嗅核を破壊したところ、安寧フェロモン作用が特異的に阻害される事が明らかとなった。またこの結果は主嗅覚系が破壊され嗅覚情報が受容できなくなったためではない事も明らかとなった。以上の結果より、主嗅覚系で受容された安寧フェロモン情報は、主嗅球へと伝達された後に前嗅核へと伝達されていることが示唆され、安寧フェロモン情報は主嗅覚系の中でもある特定のルートを辿ってその情報が伝達されている事が示唆された。
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Research Products
(4 results)