2007 Fiscal Year Annual Research Report
弾性波法に基づくセメント系材料の凝結硬化に伴う物性評価に関する研究
Project/Area Number |
07J05684
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
内田 慎哉 Gifu University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | セメント系材料 / 凝結硬化 / 物性 / 非破壊検査 / 弾性波法 / 超音波法 / インパクトエコー法 |
Research Abstract |
○入力・受振する弾性波の周波数帯域とコンクリートの内部欠陥との関係 セメント系材料の凝結硬化に伴う物性変化における弾性波挙動を把握するため,まず,コンクリートの内部に空隙がある場合での弾性波の伝播挙動についての基礎検討を行った。実験では,道路橋から切り出したRC床版およびコンクリート内部に水平ひび割れを模擬した供試体を対象に,入力する周波数を変化させるために鋼球直径の異なるインパクターを使用して,インパクトエコー法による空隙検出に関する検討を行った。その結果,インパクトエコー法により推定した水平ひび割れの位置およびその有無は,削孔結果および模擬欠陥設置深さと良い対応を示すものの,設定したあるいは発生している水平ひび割れの深さ全てにわたって,インパクトエコー法のみにより,水平ひび割れを検出することは難しいことがわかった。 ○セメント系材料の凝結硬化過程における物性評価に関する体系化の試み 凝結硬化過程の物性評価における弾性波伝播特性の特徴とその役割についての検討を行った。その結果,伝播速度は,エトリンガイト結晶の生成による見掛けの弾性係数の増加に起因して変化する伝播特性値であることがわかった。また、最大振幅値は,凝結硬化に伴う物理的な物性変化である見掛け粘度の増加状況を良く反映した指標であると考えられ,せん断応力の変化を適確に捉えることが可能であることを明らかにした。一方,周波数スペクトルは,最大振幅値同様に,セメントペーストにおけるせん断応力に対する抵抗性を捉える指標であることも確認した。さらに、周波数スペクトルは,最大振幅値とは異なり、弾性波のエネルギやペーストの凝結硬化性状に依存しないため,最大振幅値では感度の低下するステージにおいて,硬化過程の評価が可能であることも明らかにした。
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Research Products
(3 results)