2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J05709
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 健太郎 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 液胞 / ストレス / 病害応答 |
Research Abstract |
液胞に関連した植物のストレス・病害応答の機構解明のために以下の研究を行った.VPE上流因子の同定に向けて,VPEプロモータ::LUC plusを導入した形質転換体をEMSおよびγ線で変異原処理した.処理後の個体を継代して得られたM2植物体のうちサリチル酸未処理でもLUC発光が強く見られる個体およびサリチル酸処理後にLUC発光の上昇が見られない植物体をスクリーニングした.現在,得られた変異体を継代したM3植物体において表現型の遺伝および内在性VPE遺伝子の発現変化を確認している.VPEの標的タンパク質を同定する目的で,シロイヌナズナの野生型(Col-0)およびVPE 4重欠損変異体から単離した液胞のタンパク質を回収し,2次元LC-MALDIによって比較プロテオーム解析を行ったが,野生型と変異体の間で量差のあるタンパク質は同定されなかった.単離液胞のプロテオーム解析により同定されたタンパク質SIOに関しても機能解析を行った.sio変異体は野生型よりも優れた耐塩性を示したが,この表現型はSIOプロモータ4000bpを含む遺伝子領域の導入で復帰しなかった.このことから耐塩性に関する表現型はSIOが原因遺伝子ではないと考えられた.SIOタンパク質複合体をショ糖密度勾配遠心分画法により単離し,同じ画分に含まれるタンパク質をSDS-PAGEで分離した.銀染色によって確認されたバンドを質量分析に供じ,タンパク質を同定した.主にリボソーム複合体のサブユニットが同定された.SIOの機能解析と関連して,SIOのホモログの機能についても解析するためにGDSL-lipase familyのタンパク質At4g30140を過剰発現する形質転換体35S::At4g30140を作製した.35S::At4g30140では地上部の器官接着が見られた.さらに35S::At4g30140の葉は水溶性色素を透過することをトルイジンブルー染色法により明らかにした.これらの結果からAt4g30140は地上部のクチクラ形成を阻害するリパーゼであると考えられる.
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