2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J05739
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
榊原 圭太 Kyoto University, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | セルロース / LB膜 / 光電変換機能 / フェロセン / ポルフィリン / β-カロテン |
Research Abstract |
本年度の研究目的はセルロースを基盤とした光-電気変換超薄膜の創製であり、光捕集・光誘起電子移動機能のための色素であるポルフィリンの支持体としてセルロース誘導体を利用する計画である。まず、光合成色素の疎水認識部位と同じ構造を持つ誘導体、6-ο-ジヒドロフィチルセルロースをマトリクスとし、フェロセンのジヒドロフィチルエステル誘導体およびβ-カロテンを含む混合膜をLangmuir-Blodgett(LB)法により作製し、電気化学的観点からセルロースLB膜中における電子移動機構を分析した。その結果、カロテンがLB積層膜中で分子ワイヤとして機能することを確かめた。次に、光電変換機能セルロースLB膜を作製するために、ポルフィリンのジヒドロフィチルエステル誘導体をセルロースマトリクスと混合して成膜する簡便法と、セルロースの役割分担的機能化の概念に従って、ポルフィリンをセルロースの残存水酸基に直接結合させた誘導体から成膜する方法を検討した。その結果、後者において高い光電流量子収率を確認した。これは剛直なセルロース分子鎖を色素のスカフォールドとすることで、その会合が抑えられ、ゆえに励起ポルフィリンの自己消光が阻止されたためと考えられる。そこで6位にのみポルフィリン基を有する誘導体、6-ο-ポルフィリン-2,3-ジ-ο-ステアロイルセルロースからLB膜を作製し、その光電流測定を試みた結果、予想通り大きな光電流と高い量子収率を確認しえた。これら結果は、BiomacromoleculesおよびMacromolecular Rapid Communicationsに投稿、受理されている。
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Research Products
(5 results)