2009 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類におけるニコチントランスポーターの同定とその生理的意義に関する研究
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07J05753
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
日浅 未来 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | MATE型トランスポーター / 有機カチオン / Smith-Magenis syndorome / 小胞型ヌクレオチドトランスポーター / VNUT / ウストロサイト / ATP / 血小板 |
Research Abstract |
MATE型トランスポーターに関して、MATE1及びMATE2をヘテロ欠損しているSmith-Magenis syndoromeのモデルマウスの解析を引き続き行っている。Smith-Magenis syndrome(SMS)はヒト17番染色体のMATEを含む約4Mbの遺伝子欠損による多様な症状を呈する先天性遺伝子疾患であり、ヘテロで発症しホモは至死性である。モデルマウスではMATE1及びMATE2のタンパクの発現量が半減しており、それに伴い腎臓のbrush border membrain vesicle(BBMV)では有機カチオン輸送能も半減していた。実際にモデルマウスでの有機カチオン系薬物の薬物動態は変化し、薬物は腎蓄積した。MATE特異的な阻害剤を用いてより詳細な解析を行っている。 MATE解析のノウハウを生かし、小胞型ヌクレオチドトランスポーター(VNUT)の生理的意義について研究した。VNUTは小胞内にATPなどのヌクレオチドを蓄積する。小胞内に蓄積されたATPは開口放出され、受容体に結合しシグナル伝達が生じる。VNUTの局在を決定することで、どの細胞のどの小胞にATPが蓄積され、放出されるかが解明できる。免疫組織学的手法を用いて、VNUTがこれまでにATPの蓄積や放出が報告されていた味蕾や神経、アストロサイト、血小板などの小胞に発現していることを見いだした。さらにノックダウン技術を用いてVNUTがATPの開口放出に関与することを明らかにした。
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Research Products
(4 results)