2007 Fiscal Year Annual Research Report
自己制御における意識と非意識:意志の力と習慣を生かした制御法の提案
Project/Area Number |
07J05765
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
及川 昌典 Toyo University, 社会学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 健康 / 顕在指標 / 潜在指標 / 自動性 / プライミング / 国際情報交換 / アメリカ / オランダ |
Research Abstract |
本研究は、1)自己制御の各段階における意識的・非意識的過程の役割を明らかにする、2)潜在指標を用いた測定を行い、自動性に基づく効果的な制御法を提出する、3)自己制御に関して異なる文化圏(日本,アメリカ,オランダ)での比較を行うとの3つの目的のもとに行われた。 初年度である平成19年度には、まず、質問紙およびAMP(感情誤帰属手続き)による自己制御指標の作成が試みられた.申請者は,米国シラキュース大学に長期研究滞在を行い,Joshua M. Smyth Ph. D.およびそのラボと共に生態連続測定(EMA)を含む調査を実施した。具体的には、健康に関する意識が日常の自己制御に及ぼす影響が検討された。日本では、230名の大学生を対象に同様の調査が実施され、先行研究(アメリカおよびニュージーランド)の結果と比較された。 また、Henk Aarts Ph. D., Ruud Custers Ph. D.(和蘭ユトレヒト大学),Andrew Elliot Ph. D.(米国ロチェスター大学)との共同研究の一環として,達成プライミングが自己制御結果予期および自由意志感覚に及ぼす影響に関する検討が行われた。この成果は、国際雑誌に投稿され現在審査待ちである。 さらに、プライミングの解除(アンプライミング)に関する検討も行われた。ある刺激が提示されると、その概念に関連した認知、感情、行動が自動的に生じやすくなるプライミング効果が見られるが、プライム刺激の効果を表出または予期した後であれば、その効果は自動的に解除される。これを検討するために、日本人大学生を対象としてAMPを用いた実験室実験が行われた。結果はほぼ予測を支持するものであり,プライム刺激に対して評価を行った条件では,プライミング効果の減退が観察された。この検討は平成20年度も継続し、アメリカやオランダでのデータとの比較を進める予定である。
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Research Products
(9 results)