2007 Fiscal Year Annual Research Report
神経長期可塑性における、シナプス-核シグナリングの分子基盤の解明
Project/Area Number |
07J05769
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野中 美応 The University of Tokyo, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 長期可塑性 / 遺伝子発現 / 核内移行 |
Research Abstract |
CREBは神経細胞が神経活動による神経回路機能調節を長期持続化するための遣伝子発現に必須のタンパク質である。本研究の目的はCREBを含む転写複合体に焦点を当て、これが神経活動に依存して制御されるメカニズムを明らかにし、さらに記憶・学習への寄与を示すことである。 1.そのため、1年目は以下の3つの課題を設定した。(1)CREB複合体構成因子が神経活動に依存して核に移行し、CREB依存的な遺伝子発現を活性化するということを確認する。(2)CREB複合体構成因子の細胞質移行、核移行に必要な細胞内シグナル・リン酸化酵素を明らかにする。(3)CREB複合体の記憶・学習へのCRTCの寄与を証明するための材料として、構成因子の特異的発現抑制のためRNAi配列をスクリーニングする。また、ドミナントネガティブ体や各種変異体を作成する。 2.そして、本年度の成果として、上記の課題に各々対応する以下の結果が得られた。(1)CREB複合体構成因子が神経刺激に応じて核に移行しCREB依存的な転写を活性化することが神経細胞培養系で示された。(2)核移行・細胞質移行のシグナル同定に関して、CaM(群他のRNAiコンストラクトを網羅的に作成し、12種類のキナーゼについて最適ノックダウン条件を決定した。このRNAiコンストラクトと薬理実験を用いて、CREB複合体を修飾する複数のキナーゼ・ボスファターゼの寄与を明らかにした。(3)CREB複合体構成因子のRNAi配列をスクリーニングした。また、ドミナントネガティブ体・リン酸化部位の変異体などの変異体を各種作成した。
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Research Products
(14 results)