2007 Fiscal Year Annual Research Report
アジアゾウElephas maximusを対象とした相対的数量判断と長期記憶研究
Project/Area Number |
07J05799
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉本 尚子 (入江 尚子) The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アジアゾウ / 相対的数量判断 / 総和 / 音声記憶 / アフリカゾウ |
Research Abstract |
1.これまでに終了した実験 (1)アジアゾウの記憶実験(音声) アジアゾウの音声長期記憶を検討した。現在日本国内で飼育されているアジアゾウが、現地の言葉(タイ語)を記憶しているか音声プレイバック課題により実験した。2頭の象を対象に実験した結果、彼らは音声(ヒトの号令)を理解していることは示されたが、タイ語を記憶していることは確認されなかった。(2)アジアゾウの総和の相対的数量判断研究 飼育アジアゾウを対象に、彼らが総和を把握し、その相対的大小判断ができるかを実験した。実験には、恩賜上野動物園・京都市立動物園・天王寺動物園の3園に協力していただいた。実験した3頭のうち2頭が実験に協力し、データを得ることができた。その結果、アジアゾウが総和を把握し、その相対的な大小判断をできることが示唆された。実験結果の1部は日本動物心理学会例会および第二回シンポジウム「ゾウを知る、ゾウから学ぶ:ゾウオロジ-2008」で発表した。今後データを整理し、日本心理学会で発表予定である。 2.現在進行中の実験 (1)アジアゾウの相対的数量判断能力研究2005年より継続している研究で、1(2)の総和の相対的数量判断研究もこの一環である。これまでの実験により、1から6までの数量について、アジアゾウの相対的数量判断能力がかなり正確であり、提示された2つの数量差に正答率が影響されないことなどが示された。今後は、提示する数量をより大きくした場合の彼らの正答率への影響を検討する予定である。場所は、30頭程度のアジアゾウを飼育しているタイのゾウキャンプ(ランパン)を検討しており、今後、協力要請に伺う予定である。また、これまでの実験データについては一度論文にまとめ、学術誌(Animal Cognition)に投稿中である。 3.今後予定している実験 (1)アフリカゾウの相対的数量判断能力研究 秋田県の大森山動物園より研究要請をいただき、アフリカゾウの数認知能力も実験する予定となった。研究の位置づけとしては、アジアゾウとの比較対照とする。そもそもアフリカゾウで認知実験を行った前例がないため、試験的に8月に行う予定である。
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Research Products
(4 results)