2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J05837
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
石井 敦 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 助教
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Keywords | 位相幾何学 / 結び目理論 |
Research Abstract |
本年度に実施した研究の成果は、ハンドル体絡み目に対してダイアグラムの基本変形を与え、鏡像を判別することのできる新しい不変量を構成したことです。この研究の成果をまとめた論文が「Moves and invariants for knotted handlebodies」であり、Algebraic&Geometric Topologyから出版されました。ハンドル体絡み目とはハンドル体の3次元空間への埋め込みのことです。ハンドル体絡み目は空間グラフの近傍同値類と同値な概念です。したがって、ハンドル体絡み目は空間グラフにゆるい同値関係を入れたものであり、この意味で空間グラフに内在する構造をよく反映しています。空間グラフのダイアグラムに新しい種類のスムージングを施すと、各辺に整数の付随した交点を持たない空間グラフのダイアグラムが得られます。このようにして得られた空間グラフは、近傍同値類の範囲で扱うことでブーケを成します。こうして得られた整数の付随したブーケに適切な値を与えることでスムージング分解を用いた空間グラフの新しい不変量が構成されると思われます。つまり本年度に実施した研究で与えたハンドル体絡み目の基本変形は、空間グラフの新しい不変量を構成するための基礎となるものです。このような研究成果を得るためには、科学研究費補助金を用いて出張を行い、研究会議で国内外の研究者と議論を交わすことが重要であった。特に、6月には科学研究費補助金を用いてハンドル体結び目に関する研究会「ハンドル体結び目とその周辺」を主催しました。研究会には約30人の研究者が集い、本研究に関する意見交換が活発に行われました。
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Research Products
(3 results)