2007 Fiscal Year Annual Research Report
音響行動観測に基づいた生物ソナーシステムの解明とその工学的応用
Project/Area Number |
07J05895
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
飛龍 志津子 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | コウモリ / イルカ / 生物ソナー / エコーロケーション / 超音波パルス |
Research Abstract |
本研究では、水・陸の異なる環境下で実施されるイルカとコウモリのエコーロケーション行動の比較から、それぞれの生物圏へ最適化された音響計測システムの解明並びにその工学的応用を目的としている。本年度は、イルカの長期音響モニタリング実施に向け、情報収集や実験環境の確保、また試験的にイルカのエコーロケーション行動時の音響データの習得を目指した。 1.イルカの長期音響モニタリング実施に向け、水族館(伊豆三津シーパラダイス)にて実験内容や計画の実現性について打ち合わせを行った。12月には、同水族館において飼育下にあるバンドウイルカのエコーロケーション音声の計測を実施し、イルカとコウモリのソナー音声について基本的な音響信号情報の比較等を行った。 2.野生のコウモリが行う採餌中のエコーロケーション行動を調べるため、マイクロホンアレイ装置による3次元飛行軌跡の計測技術を確立した。また飛行経路とパルスの放射方向との関係を調べるため、実験室内に19chのマイクロホンアレイ装置を構築し、観測室内を飛行するコウモリの水平及び垂直方向のパルス放射パターンの計測を実施した。コウモリが選択する飛行経路と、それをナビゲートするエコーロケーション行動について検討した結果、コウモリが超音波パルスを変化する飛行方向に対し、一定時間先行させて放射していることを明らかにした。
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Research Products
(20 results)