2007 Fiscal Year Annual Research Report
ポストゲノム時代の挑戦:ABCG2タンパク質の品質管理と小胞体ストレス
Project/Area Number |
07J05897
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
若林 香菜子 Tokyo Institute of Technology, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 多剤耐性 / ABCトランスポーター / ABCG2 / 小胞体ストレス / ユビキチン化 / タンパク質品質管理機構 |
Research Abstract |
本研究では、ガン細胞における多剤耐性の要因として注目されてきたABCG2を膜タンパク質のモデルとして、糖鎖付加、ジスルフィド結合、ユビキチン化に代表される翻訳後修飾とタンパク質の品質管理、細胞内安定性との関係を解明し、それを制御する分子プローブを設計することを目的としている。初年度となる本年度は以下の3点に焦点をあてた。 ABCG2タンパク質における糖鎖付加の意義の検討 ABCG2はAsn596残基においてN結合型糖鎖付加を受ける。このAsn596残基をGln残基に置換し、糖鎖付加が起こらないような変異型ABCG2発現細胞を構築し、糖鎖付加の意義の検討を行った。 ABCG2の成熟化機構の解明 タンパク質の成熟化において、ABCG2の糖鎖付加は複数のステップを経て進行すると考えられる。そこで、それぞれのステップに特異的な阻害剤をABCG2発現細胞に作用させ、その発現量の検討を行った。 以上の2つの結果よりABCG2において糖鎖付加は、タンパク質として成熟か未成熟かを決定する1つの要因であることが示唆された。 ABCG2タンパク質の品質管理と分解経路機構 ABCG2タンパク質の第3番目の細胞外ループに存在するCys603は、二量体形成に関与することが報告されているが、同じループ上にはさらに2つのCys残基が存在する。それらは、 ABCG2のタンパク質としての安定性を維持する上で重要であり、それらのCys残基が欠損することにより、分子内S-S結合が形成されないために構造が不安定化し、未成熟タンパク質として分解されてしまうと考えられる。そこで、2種類のタンパク質分解経路阻害剤を用いて、その仮説の検討を行った結果、ABCG2が成熟化タンパク質として認識されるためには、分子内S-S結合が重要であることが示唆された。(Wakabayashi et al.J.Biol.Chem.2007)
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[Journal Article] In vitro evaluation of photosensitivity risk related to genetic polymorphisms of human ABC transporter ABCG2 and inhibition by drugs.2007
Author(s)
Tamura A, Onishi Y, An R, Koshiba S, Wakabayashi K, Hoshijima K, Priebe W, Yoshida T, Kometani S, Matsubara T, Mikuriya K, Ishikawa T.
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Journal Title
Drug Metab.Pharmacokin 22(6)
Pages: 428-440
Peer Reviewed
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