2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J05922
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
横田 明日美 Kyoto University, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 破骨細胞 / 骨芽細胞 / ニッシェ / 白血病幹細胞 / 慢性骨髄性白血病 |
Research Abstract |
慢性骨髄性白血病(CML)再発の原因となる微小残存病変を殲滅するため、我々は、白血病幹細胞(LSC)の住みかとなり、LSCの薬剤耐性獲得や幹細胞性維持をサポートしている骨髄内ニッシェを攻撃するという新しい概念で、CML新規治療法開発を目的とした研究を進めている。 in vitroでは、ニッシェを構成していると我々が推測している骨芽細胞(OB)あるいは破骨細胞(OC)をコラーゲルゲルの上で培養し、トランスメンブレンチャンバーを用いてBcr-Abl^+白血病細胞株との共培養を行った。破骨細胞の骨吸収の基質として、マウス大腿骨由来骨片を上記培養条件に加えた系でも同様に行った。その結果、OB+OC+骨片ウェルにおいて、OB+OC+のみのウェルと比べて明らかな白血病細胞株の増殖抑制が見られた。現在、OB+OC+骨片の条件で培養した際の培養上清に増殖抑制効果を有するサイトカインが含まれているか、また共培養した白血病細胞株の細胞周期の変化や、細胞周期シグナル分子の発現のタンパク質、mRNAレベルでの検討を進めている。 in vivoでは、破骨細胞選択的阻害剤リベロマイシンA(RM-A)を用いた実験を行っている。この薬剤は白血病細胞株の増殖に全く影響を及ぼさない低濃度で破骨細胞に対して選択的にアポトーシスを誘導する。Bcr-Abl^+白血病細胞株をマウスに移植して作製した白血病モデルにおいて、RM-Aを投与し破骨細胞を死滅させた環境を作り、白血病細胞の生着や増殖、伸展にどのような影響がみられるかをフローサイトメトリー、大腿骨・脾臓・肝臓の病理切片において解析中である。RM-A投与マウスの大腿骨切片において、コントロールと比較して破骨細胞数の減少が認められ、また骨髄内に存在する白血病細胞株の局在に違いがめられた。今後、より詳細に破骨細胞が骨髄内の白血病細胞に与える影響をin vivoにおいても調べていく。
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