2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J05922
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
横田 明日美 Kyoto University, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 破骨細胞 / 骨芽細胞 |
Research Abstract |
今年度も引き続き、骨髄微小環境を構成する骨芽細胞、破骨細胞が白血病細胞の増殖にどのような影響を及ぼすかについて、検討を行った。 コラーゲングル上で、マウス頭頂骨由来の骨芽細胞とマウス骨髄細胞を共存培養して、破骨細胞を分化誘導させ、実験に用いた。この破骨細胞に、骨吸収の基質としてマウス大腿骨由来の骨片を加え、bcr-abl発現Ba/F3を白血病細胞株として、これらとトランスウェルを介しか共培養を行った。その結果、骨芽細胞は単独でBa/F3の増殖を促進させたのに対し、破骨細胞は骨片存在下でBa/F3の増殖を抑制することが分かった。死細胞の増加は認められなかったため、破骨細胞は骨片存在下でBa/F3の細胞周期を静止期に近い状態に保っている可能性が考えられた。Ki-67と7-AADの二重染色においで、GO/G1期にある集団のうち、Ki-67陰性の分圃はGO期であるとの報告かおることから、この手法にて細胞周期を解析したところ、破骨細胞と骨片存在下で共培養したBa/F3において、Ki-67陰性分画の増加が認められた。破骨細胞と骨片の培養上清中に、造血幹細胞を細胞周期静止状態に保つと考えられ、ているTGF-β1の産生を検出し、実際にrecomlbinant TGF-β1はBa/F3の増殖を抑制したが、Ki-67陰性分画の増加は認められなかった。また、予備的実験のデータより、recombinant TGF-β1添加により、Ba/F3においてSmad2のリン酸化を検出したが、破骨細胞+骨片存在下で共培養したBa/F3においては検出されなかった。よって、破骨細胞は、骨吸収を介して骨片から何らかのサイトカインを放出し、骨髄微小環境において白血病細胞をより細胞周期静止期に近い状態に維持している可能性が示唆された。現在どのようなシグナル伝達経路がBa/F3で変化しているか、検討中である。
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