2008 Fiscal Year Annual Research Report
非整数階徴分を利用した地殻き裂システムにおける複雑流動挙動のモデル化と工学的展開
Project/Area Number |
07J05956
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
千葉 隆一 Tohoku University, 大学院・環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 非整数階微分 / 数値シミュレーション / 移動現象論 |
Research Abstract |
本年度は地熱エネルギーならびに物質循環システムの構築において中核となる地殻内複雑流体移動の解明を目的として以下の項目に取り組んだ. ・非整数階微分を利用した物質輸送モデルの数値計算とパラメータの決定手法構築 非整数階微分を含んだ偏微分方程式による物質輸送モデルは,従来の数学モデルにと比較してより少ない変数で地殻内物質輸送を適切に記述できることが報告されている.詳細な地質情報や物性値の取得なしに物質輸送を再現可能なため,トレーサー試験と連動させることで地熱地域における大域的な流体移動の把握手段として期待されている.本年度は,これまでに開発した一次元移流拡散モデルと微分係数等パラメータ決定法の改良に取り組んだ.一次元移流拡散モデルについては,移流項の離散化方法を見直すことで計算に要する時間を短縮させた.またパラメータ決定プログラムのコードを再構成し,投入する計算条件の設定を容易なものとした. ・方程式に含まれるパラメータに対する物理的な意味づけ 物質輸送数学モデルに含まれているパラメータを物理的に説明するために,き裂型貯留層モデルを用いた数値計算を行った.計算結果から,一部の微分係数の値にき裂の分布度合いが関与している可能性が示唆されている. また,本年度は国内及び国外で計三回の学会発表を行った.そのうち2008年10月に米国ネバダ州で開催されたGeothermal Resources Council 2008 Annual MeetingにおいてGRC Best Student Paper Awardを受賞している.
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Research Products
(4 results)