2008 Fiscal Year Annual Research Report
核構造の安定化に機能を持つリボソーム生合成調節因子に関する研究
Project/Area Number |
07J05962
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
堀籠 智洋 Hiroshima University, 大学院・生物圏科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | リボソーム生合成 / 核膜 / 出芽酵母 |
Research Abstract |
出芽酵母のリボソーム生合成調節因子Ebp2およびRrs1について機能解析を行い、以下の成果を得た。 1.膜輸送経路遮断時におけるシグナル伝達に欠陥を持つrrs1-1の低温感受性を抑圧する変異としてkcs1を見出した。kcs1の変異点を同定し、イノシトール6リン酸キナーゼ領域が欠失する変異であることを明らかにした。kcs1変異およびkcs1破壊が共にrrs1-1における60Sリボソームサブユニットアセンブリの欠陥を抑圧することを示し、イノシトールポリリン酸代謝機構とリボソーム生合成にクロストークが存在することを示唆した。 2.これまでにリボソーム生合成調節因子Ebp2およびRrs1が、真核生物において広く保存されたSUNドメイン蛋白質Mps3との結合を介して核膜に局在することを明らかにしている。Mps3は核内における染色体配置に機能を持つことから、本機構におけるEbp2およびRrs1の関与を調べた。テロメアマーカータンパク質であるRap1と蛍光タンパク質CFPを融合したタンパク質を発現する株を用いた蛍光顕微鏡観察により、Ebp2およびRrs1がテロメアのクラスター形成に関与していることを明らかにした。近年、核膜が転写や修復、さらには老化など、核内における多様な機構に関与していることが報告されている。核膜を足場とした機構とリボソーム生合成との関連についてはこれまでに報告がなく、Ebp2およびRrs1がこれら機構間の連携を解き明かす鍵となることが期待される。
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Research Products
(4 results)