2007 Fiscal Year Annual Research Report
証明論と論理的意味論の二元論に対する論理哲学と認知科学による統合的研究
Project/Area Number |
07J06005
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
竹村 亮 Keio University, 文学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 証明論 / 論理的意味論 / 線形論理 / ゲーム意味論 / Polarized linear logic / 図形推論 |
Research Abstract |
本研究の目的は、20世紀論理哲学及びその影響を受けた様々な分野で議論の的であった証明論と論理的意味論の二元論的関係を、最新の論理哲学の観点から線形論理の手法を基に、これに認知科学の手法・観点を組み合わせ、多角的な観点から捉え直すことである。 (1)証明論と論理的意味論の基本定理を統合した一元論的観点に立った基本定理を確立するために、これまでに得られた証明のためのphase semanticsを拡張した。Dual Intuitionistic Linear Logicと呼ばれる体系を基に、証明のためのphase semanticsに、直観主義論理の含意結合子を導入し、様相演算子を部分的に導入した。(研究業績1) (2)証明探索の研究やゲーム意味論との対応で注目されているPolarized linear logicに対しては、その証明可能性を特徴付けるような伝統的な意味論がこれまで存在しなかったが、報告者は共同研究者と共にpolarized linearlogicに対しても線形論理の伝統的集合論的意味論であるphase semanticsを与えた。(成果は現在投稿中) (3)Ehrhardらによって導入されたIndexed linear logicは、証明論と意味論を統合した推論体系であると考えられるが、その推論体系の操作的意味はこれまで明確にはされてこなかった。報告者は共同研究者と共に、Indexed linearlogicに対してpolarityを導入し、Indexed polarized linear logicを導入した。(成果は現在投稿中)これにより、Indexed systemに対してゲーム論的な操作的意味を与えることができると考えられる。 (4)オイラー図を用いた推論は、心理学での分析や計算機科学への応用等が研究されているが、論理学、特に証明論の観点からの分析は不十分であった。このために報告者は共同研究者と共に、オイラー図を用いた推論を形式化しその図形的証明構造について分析した。それにより、一般的なオイラー図の図形的証明構造の特殊な正規形証明構造として、三段論法推論の図形的証明構造を特徴付けた。またそのような理論的な分析をもとに得られたオイラー図の持つ図形的特徴を実証することを目指して予備実験を行い、実験デザインを設定した。(研究業績2、3、他論文を投稿中)
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Research Products
(5 results)