2007 Fiscal Year Annual Research Report
インドにおける知の源泉をめぐる議論と宗教間対話-ウダヤナの合理的神学論解明-
Project/Area Number |
07J06032
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
志田 泰盛 Kyoto University, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ウダヤナ / サンスクリット写本 / インド哲学 / 語常住論 / 神の存在証明 |
Research Abstract |
今年度は、主としてテキスト読解に専念したため、研究発表自体はなかったが、その成果は次年度の国際哲学会(ソウル大学)や日本印度学仏教学会学術大会にて発表予定である。 サンスクリットの読解力の向上と海外の研究者との交流を図るべく、2007年7月にインド・ポンディシェリで開催された研究合宿の前半部に参加した。また、その際に、フランス極東学院所長のGoodall博士の協力のもと、これまで写真撮影が許されていなかった、アディヤル図書館の貴重なサンスクリット写本の撮影に成功した。その写本の内容分析は現在進行中である。 「言葉と聖典の常住性」の研究については、従来の計画よりも前倒しして研究を始めた。本来は『シュローカ・ヴァールッティカ』という文献から始める予定であったが、その注釈対象である『シャバラ・バーシャ』の該当箇所について、Acharya博士(京都大学)とともに読解を進めた。 また、桂紹隆教授(龍谷大学)が主催する『プラマーナ・サムッチャヤ・ティーカー』に関する研究会にも継続的に参加している。当研究会への参加は、当初の計画では予定に入っていなかったが、ニヤーヤ学派と仏教論理学派との間の初期の論争に関する新資料ともなり得る重要なテキストであり、特にインド論理学の発展段階に関して新知見を得ることができた。 研究交流としては、「西日本インド学仏教学会」、「日本印度学仏教学会学術大会」、「インド思想史研究会」、「Goodall博士の研究会と講演会」に参加し、国内外の研究者の発表や勉強会を通じて、知見を広げることができた。
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