2007 Fiscal Year Annual Research Report
次世代MOSトランジスタ用Hf系高誘電率ゲート絶縁膜の研究
Project/Area Number |
07J06060
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大田 晃生 Hiroshima University, 大学院・先端物質科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | MOSトランジスタ / 高誘電率ゲート絶縁膜 / Hf系酸化物 |
Research Abstract |
本年度は、極薄HfLaxOy絶縁膜の電子状態およびHfLaxOy/Si界面の界面反応に関する研究を進める目的で以下の通り実施した。 1. Si基板との界面反応を抑制するためにスパッタにより形成したPt膜上に、前駆体にHfとLaの金属有機(DPM)錯体を用いたMOCVDにより、HfLaxOy絶縁膜を形成した。それぞれのDPM錯体の質量比を変えることによりHfLaxOy膜のLa/(Hf+La)組成の化学組成制御が可能であることを確認した。また、CVD時の基板温度の上昇と酸素分圧の増大に伴って残留カーボン量が低下することが分かった。 2. HfLaxOy/Pt構造において、X線光電子分光(XPS)分析より、Pt膜に対する伝導帯側のバンド不連続量はLa/(Hf+La)組成が〜40%以下の領域で〜3.5eV、〜55%以上の領域で〜4.1eVでほぼ一定であり、価電子帯側のバンド不連続量はLa組成の増大と伴にほぼ単調に減少することが分かった。これは、La添加によって、HfLaxOy薄膜の伝導帯側の下端がHf5d軌道に代わりLa5d軌道が支配的となり、価電子帯上端がO2p-Hf5d結合よりもO2p-La5d結合が増大することに起因すると考えられる。 3. HfLaxOy/Si構造において、膜緻密化を目的とした800℃の酸素雰囲気中熱処理によって、La/(La+Hf)組成が〜35%以上の場合はHfLaxOy膜中へのSiの混入が顕著であり、La組成の低下に伴い徐々にSi基板の酸化反応が進むことが分かった。またHfLaxOy膜中へSi原子が混入することによって、Si基板との価電子帯側バンド不連続量は増大することが分った。 このようなデータの結果を踏まえ、来年度は電気特性などによって誘電率や欠陥準位密度を評価することを進め、Hf系多元素酸化物の高誘電率化・高品質化を検討する。
|
Research Products
(28 results)