2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J06068
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
大塚 由美子 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 知覚 / 発達 / 顔認知 / 形態知覚 / 選好注視法 / 乳児 / 視覚 |
Research Abstract |
Mooney face画像を用いて乳児の顔検出能力を検討する実験を行った。顔はヒトが社会生活を行ううえで非常に重要な視覚対象であり、成人は顔を検出する高い能力を備えている。例えば、目・鼻・口といった顔の局所的特徴についての情報が得られない白黒2値の画像(Mooney face画像:Mooney,1965)においても容易に顔を検出することができる(Kanwisher,Tong,&Nakayama,1998など).本研究では、乳児もMooney face画像から顔を検出するか検討を行った。先行研究から、乳児は正立した顔写真や顔模式図形を、倒立提示された顔や顔以外の図形よりも選好注視すると報告されている(Farroni et al.,2006;Valenza,et al.,1996など)。そこで本研究では正立顔画像と倒立顔画像を対提示し、正立顔画像に対する注視時間を計測した。乳児が顔を検出するならば、正立顔を選好注視すると予測された。さらに、画像2値化のための閾値を段階的に変化させることにより、目・鼻・口などの顔特徴の見えやすさの異なる画像を作成し、各画像条件で乳児が顔を検出する可能性を検討した。 実験の結果、目・鼻・口などの特徴情報が得られる条件では乳児は正立顔選好を示したが、特徴情報が得られない条件では正立顔選好を示さなかった。しかしながら、顔の向きが異なる2枚の写真を交互に提示することで、顔が運動する印象を生み出す図形を用いてさらなる実験を行ったところ、目・鼻・口などの特徴情報が得られない画像条件においても正立顔への選好が示された。これらの結果から、幼い乳児も画像の全体的な情報に基づいて顔を検出する能力をいくらか備えていることが示唆される。
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Research Products
(8 results)