2007 Fiscal Year Annual Research Report
出生行動と経済成長の関連性についての理論および実証研究
Project/Area Number |
07J06131
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木村 匡子 Kyoto University, 経済学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 出生 / 家族 / 教育 / 重複世代モデル |
Research Abstract |
出生率の変遷と経済成長を包括的に説明できるようなモデルの構築という研究目的のために、本年度は公的教育と私的教育が混在するような内生的出生モデルを構築した。このモデルでは、各家計は子どもに公的教育が提供する以上の教育を与えることを望むならば、私的に教育サービスを購入することができる。家計は子どもの数を増やすことによって、公的教育からより多くの便益を受けることができるので、政府による公的教育の供給は、家計の子どもの質と量の選択に影響を与える、つまり子どもの質から量への代替を促すことになる。公的教育の役割に注目した内生的出生モデルはすでにいくつかあるが、既存の研究では公的教育しか存在しない経済と私的教育しかない経済の比較を行っており、公的教育と私的教育が同時に存在するわけではない。モデルのフレーム・ワークはすでに完成しており、現在はカリブレーションを行っている。 出生率のシミュレーションのため、数値計算可能な多期間OLGモデルの作成にも取り組んだ。実際のデータの再現性の高いシミュレーションを行うには、より複雑なモデルを数値的に解く必要がある。そのため、今年度は、たたき台となる多期間OLGモデルを作成し、それを解くための数値計算の方法を学び、実際に数値計算を行った。この取り組みは、来年度の研究の足がかりとして十分な成果が得られた。 また、今までの研究成果をまとめ、学術書「家族の経済学」(NTT出版、共著)として出版した。
|
Research Products
(1 results)