2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J06133
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
京須 希実子 Tohoku University, 大学院・教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 専門職 / 社会福祉士 / 介護福祉士 / 専門職化 / 専門職養成 / フィールドワーク |
Research Abstract |
本研究は、「政策」「専門職団体」「養成機関」「マーケット」の4つの切り口から、福祉系専門職形成のメーカニズムを明らかにすることを目的としている。1年目は、以下の3つの結果が導き出された。(1)「政策」・「専門職団体」の側面:「介護福祉士のあり方及びその養成プロセスの見直しに関する検討会」審議録の分析を通して、介護福祉士養成制度に関する政策動向を検討した。その結果、議論の流れは、「介護人材の量的確保が可能である枠組み中における最大公約数としての質の向上とは何かについての模索とそこへ向けての各団体・厚生労働省職員間の折衝過程」であることが明らかになった。(2)「養成機関」の側面:学校基本調査や全国大学一覧などの資料を用いて、福祉系専門職の養成機関の増加過程及びその特徴を考察した。福祉系専門職の養成機関は、国が幅広い機関に門戸を開く形で展開された。その結果、大部分が私立の学校となっている。そのため、国による人材輩出のコントロールが難しい状況にある。特に、介護福祉士の場合、柔軟に学科編成を変えうる専修学校がその養成校のメインとなっているため、各学校において定員割れが生じた場合、その養成の継続が困難となる可能性が予測された。専門職養成の基盤となる養成機関の確立に関する考察は今後も継続ずる。(3)「マーケット」の側面:介護老人福祉施設で働く介護職が他専門職(看護師・社会福祉士・栄養士)との連携・協働を通して自らの業務内容を確立していく過程を、参与観察・インタビューを通して考察した。その結果、介護職は身辺介助業務を専ら任されることで、どの職種よりも多くの入居者に関する情報を把握することができ、彼らはその情報をもとに、入居者を生活者と捉える独自の視点から、業務を行っていた。この独自性から介護職の専門性が確立される可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)