2007 Fiscal Year Annual Research Report
Perfusion CTを用いた重症急性膵炎における早期の膵実質血流の解析
Project/Area Number |
07J06222
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
辻 喜久 Kyoto University, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Perfusion CT / severe acute pancreatitis / acute necrotizing pancretitis / Pancreatic Perfusion / pancreatic ischemia / acute pancreatitis |
Research Abstract |
ヒト重症急性膵炎を対象として、発症早期における膵虚血の有無をPerfusion CTを用いて定性的に評価すれば、膵壊死の予測が可能であり、ひいては予後予測に大変有用であることを論文発表した。(Clin Gastroenterol Hepatol.2007 Dec;5(12):1484-92.)同様の研究を米国のMayo Clinicといった世界的に高名な施設も行っていたが、発表においては我々が先んじた。つまり、Perfusion CTを用いることで、"ヒト急性壊死性膵炎において、発症早期に膵虚血が存在する。"という説のPriorityを有することに成功した。ついで、平成19年度の目標であったPerfusion CTによる膵血流測定における定量性の確立のために豚膵虚血再還流モデル(N=8)を対象に、帯広畜産大学にて実験を行った。回復ののち膵臓を頭部と体尾部で離断し、膵頭部の血流をコントロールとし、体尾部のみ虚血再還流障害を生じせしめ、膵血流を大きく変動させた。膵頭部ならびに体尾部における血流変化をレーザー血流計ならびにPerfusion CTにより測定し、同一個体において統計的に比較した。また、実験終了後膵頭部ならびに体尾部における病理学的なダメージを免疫染色も交えて評価した。結果として、レーザー血流計による膵血流実測値とPerfusion CTによる膵血流測定結果は、膵実質の障害の程度に関係なく、有意に相関した。レーザー血流による測定は開腹して行わなければいけないが、Perfusion CTは開腹を要せず安全でありかつ定量性を有した大変優れた検査法であることが示,された。今後、この結果を元に、定性的ではなく定量的にヒト膵疾患の血流を評価し、病態理解ならびに治療戦略の確立へと結びつけるべく、研究を進める予定である。
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Research Products
(8 results)