2007 Fiscal Year Annual Research Report
二核性アルカロイドHaplophytineの全合成研究
Project/Area Number |
07J06237
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
植田 浩史 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | Haplophytine / Fischer Indole合成法 / 収束的全合成 / 二核性インドールアルカロイド |
Research Abstract |
Haplophytineは古くから中南米において駆虫薬として用いられた植物の主要アルカロイドであり、興味深い生理活性を持つのみならず、その特異な構造からこれまで多くの化学者の興味をひきつけてきた二核性インドールアルカロイドである。しかしながら、その複雑な構造のため単離から50年経た現在においてもまだ全合成は達成されていない。そこで、私は本化合物を大きく2つのユニットに逆合成し、両ユニット間におけるFischer Indole合成法を用いることで収束的全合成を行えるのではないかと考え本化合物の合成研究に着手した。 一年目はhaplophytineの全合成を行うにあたって、まずその右ユニットであり、6環性のアスピドネペルマ骨格を有するaspidophytineをFischer Indole合成法により合成をすることとした。Fischer Indole合成法を行うために、まず鍵中間体である光学活性な三環性ケトンの合成を以下のように行った。不斉四級中心の構築にはd'Angeloらによって開発された不斉マイケル反応を用い、安価なシクロヘキサノンに対し立体選択的に側鎖を導入し、その後分子内アザマイケル反応、続く分子内SN2反応により順次環化を行うことで光学活性な三環性ケトンを得た。この三環性ケトンに対し、Fischer Indole合成法を適用することで初年度の目標であったaspidophytineの全合成を達成することができた。 今後は、左ユニットの合成経路の確立と左右両ユニット間でのFischer Indole合成法の反応の開発を行うことでhaplophytineの初の全合成を達成する予定である。全合成達成後は、haplophytineの類縁体を合成することで新規有用物質の開発も行う予定である。
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Research Products
(2 results)