2008 Fiscal Year Annual Research Report
光学活性AZADOの合成と高エナンチオ選択的不斉アルコール酸化反応の開発
Project/Area Number |
07J06241
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
富澤 正樹 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 不斉酸化 / アルコール / キラル / AZADO / 光学分割 / 光学活性 / 酸化 / ニトロキシルラジカル |
Research Abstract |
前年度までに得た知見に基づき、触媒活性部近傍の1位置換基を種々変化させた4-Bn-1-R-AZADOH{R=H(1),Me(2),i-Pr(3),.Bu(4)}ならびに8-Bn-1-R-AZADOH{R=Me(5),i-Pr(6)}を設計・合成し、高エナンチオ選択的アルコール酸化触媒の獲得を目指し検討を行った。以下、得られた成果について記述する。 1)本不斉反応における反応選択性を制御するキラルAZADO触媒の構造的因子として、反応点に隣接する1位置換基が直接的にエナンチオ選択性発現を支配し、4位置換基(または8位置換基)が間接的に選択性発現に関与していることを明らかとした。 2)合成したキラルAZADOの中で、(1S,4R)-4-Bn-1-Bu-AZADOH(4)が本系において有効に機能する酸化触媒であることを見出した。また、反応条件としてはTCCA(trichloroisocyanuric acid)をバルク酸化剤として用い、塩化メチレン中、-40℃にて行うことで大幅にk_<rel>(82.0)を向上させることに成功した。本結果はキラルニトロキシルラジカル型触媒を用いて、遷移金属触媒に匹敵するエナンチオ選択性を発現した数少ない成功例の一つである。また、本触媒は2位にアリール置換基を有する5,6員環シクロアルカノール類において特に有効に機能することが明らかとした。これより、本研究の目的である高エナンチオ選択的アルコール酸化触媒の獲得に成功したものと考える。尚、本研究で得られた知見は、今後の更なる高選択的触媒の設計において極めて有益な指針を与えるものと考える。
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Research Products
(1 results)