2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J06252
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内山 雄祐 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | 素粒子実験 / 国際研究者交流 / スイス:イタリア:アメリカ:ロシア / 超対称性 / ミュー粒子 / 液体キセノン |
Research Abstract |
本年度はスイスボールシェラー研究所に長期滞在しMEG冥験の立ち上げ、テータ取得および解析を行った。 本年度前半に完成した液体キセノン検出器用容器に光電子増倍管850本を取り付け、実験ホールに検出器をインストールした。キセノンを液層で安定に保持、運転するためのスローコントロールシステムを開発し、液層でのキセノンの輸送、循環に成功した。LED、アルファ線源を用いた較正データを取得、解析し検出器の働きを確認しながら較正を行った。 本年度後半からはビームを用いたデータの収集を行った。収集されたデータを即座に解析し、検出器およびデータ収集回路の問題点を一つ一つ解決していく作業を通して、最終的に期間は短いがミュー粒子の稀崩壊事象を探索するデータの収集を計画通りの3×10^7μ/secのビーム強度で行うことができた。 年末のビームシャットダウン後はガンマ線・陽電子双方の再構成を中心に解析を行っている。陽電子の時間分解能として50ps(σ)が得られた。これは2006年に収集されたデータの結果から大幅な向上を示し、本研究に要求される性能を満たすことを示すことができた。またガンマ線のエネルギー分解能は2.4%(σ)が得られた。これは今まで試作機による評価より悪い値となっているが、その主な原因がデータ収集回路上でのノイズと判明した。 ノイズを含め解析を通じていくつかの問題点が抽出できた。これらを修正し、来年度は物理解析データを長期間収集する予定である。来年度収集されるデータを迅速に解析し、いち早く結果を出すためにも、本年度のデータで得られた検出器の理解および解析手法の確立は大きな意味を持つ。
|
Research Products
(4 results)