2007 Fiscal Year Annual Research Report
葉菜ソラナムニグラムの収量と品質向上を目的とした雄性不稔系統および倍数体の育成
Project/Area Number |
07J06271
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
クリストファー オジエウォ Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | AP3遺伝子 / 花器形態 / 季節依存型雄性不稔 / コルヒチン / 染色体倍加 / 突然変異 |
Research Abstract |
ナス科のソラナムニグラムは、分枝した若芽を食用とする葉菜であるが、多くの果実が着くため、養分競合により葉の生産量が低下することから、雄性不稔性形質を付与し着果を阻止すれば葉の生産量は増大すると考えられる。これまでの研究において育成された季節依存型雄性不稔突然変異体T-5系統は、高温下でがく片のみとなり、やや高温下では雄ずいの無い異常形態を示し、涼温下で稔性回復する。このT-5系統について、葉の収量を野生型と比較した結果、T-5の株当たり葉乾物重は野生型の約2倍となり、植物体全体重に占める葉重の割合(収穫指数)は野生型の約1.5倍となった。 T-5の不稔性発現機構を分子生物学的に解明するために、花器形態形成遺伝子に関するトマトでの研究情報をもとに、Bクラスの遺伝子であるAP3遺伝子について行った。その結果、突然変異体と野生型との間で配列に明らかな差異はなく、他の遺伝子が雄性不稔形質に関与している可能性が考えられた。また、トマト用DNAマクロアレイによる遺伝子の網羅的解析も行ったが、不稔性に直接関わっていると考えられる遺伝子発現の差異は見出されなかった。 以前の研究で、野生型(4倍体)のコルヒチン処理によって得られた8倍体は、生育旺盛で茎葉の収量が高いことが明らかになっている。本研究では、さらに、雄性不稔性形質を持った8倍体を育成するため、4倍体のT-5にコルヒチンを処理した。しかし、得られた8倍体は、野生型と同じ花器形態を示した。このように倍加した際に雄性不稔突然変異が復帰したことについて原因を明らかにする必要がある。また、8倍体と4倍体の交配では、正逆交雑とも雑種種子は得られず、この原因についても明らかにする必要がある。
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Research Products
(8 results)