2008 Fiscal Year Annual Research Report
葉菜ソラナムニグラムの収量と品質向上を目的とした雄性不捻系統および倍数体の育成
Project/Area Number |
07J06271
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
クリストファー オジエウォ Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 花器形態形成 / DNAマクロアレイ / 突然変異 / AG / HUA1 / SEP1 |
Research Abstract |
ナス科のソラナムニグラムは、分枝した若芽を食用とする葉菜であるが、多くの果実が着くため、養分競合により葉の生産量が低下することから、雄性不稔性形質を付与し着果させなければ葉の生産量は増大すると考えられる。これまでの研究において育成された季節依存型雄性不稔突然変異体T-5系統は、高温下でがく片のみの花や無限成長となり、やや高温下では雄ずいの無い異常形態を示し、涼温下で稔性回復する。T-5突然変異体における雄性不稔の機構を分子生物学的に解明するため、野生型および雄性不稔突然変異体の開花前の花蕾からRNAを抽出し、トマト用DNAマクロアレイを用いた遺伝子の網羅的解析を行った。突然変異体において発現が低下した遺伝子の中で、花器形態形成に関わるものとしてAGAMOUS(AG)、SEPALLATA1(SEP1),HUA1、CIRCADIAN CLOCK ASSOCIATED1(CCA1)が見出された。AG、SEP1、HUA1は、相互に関連して花の形態形成を行う遺伝子であり、これらの発現低下が雄性不稔に関わっていると考えられた。CCA1は、日周性に関わる遺伝子であるが、この発現低下がどのように花器形態異常に関わっているのかは不明である。発現が上昇した遺伝子として、KNOTTED-LIKE ARABIDOPSIS THALIANA7(KNAT7)が見出された。KNAT7は、成長点の分裂組織の無限成長性を制御する遺伝子であり、高温期にみられるT-5突然変異体の無限成長花の出現に関連していると考えられた。
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