2008 Fiscal Year Annual Research Report
クレオールとしてのアイルランド英語の文法体系に関する動態的研究
Project/Area Number |
07J06276
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
嶋田 珠巳 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | アイルランド英語 / 英語方言 / クレオール / テンス・アスペクト / 情報構造 / 文法知識 / 社会言語学 / 言語学 |
Research Abstract |
平成20年度の研究実績について、その概要を以下に記す。 (1)アイルランド英語の位置づけに関して、英語方言なのか、クレオールなのかという観点から考察のまとめを行った。(2)アイルランド英語のテンス・アスペクト体系について、とくにbe after V-ing形式に関するデータを整理し、その考察を論文「アイルランド英語be after V-ingの表現効果-have完了との対立を中心に-』にまとめた(『東京大学言語学論集』第27号,187-206頁,2008年9月発行)。Have完丁と機能おいて対立のあらわれる観察事実を示し、「ホットニュース完了」とよばれるbe after形式の性質をプラグマティクスの面から検討することを主旨とした。(3)ダブリン大学およびコーク大学において、アイルランド英語の語彙にみる文化的側面、クレオール的特性に関する研究会を行った(2008年8月、2009年2月)。(4)アイルランド英語のテンス・アスペクトおよび情報構造に関する表現手法について、おもに標準英語との比較においてその性質をまとめた原稿の加筆、修正を行った。(5)情報構造に関するこれまでの考察をまとめ、ベルギー・ルーヴァン大学にて開催された学会Information Structure between Linguistics and Psycholinguistics(IS 2009)においてTopic,focus and'salience':processing presuppositions and mental pictures in the linear nature of languageという題目で研究発表を行った(2009年3月)。(6)フィールドでの言語調査、とくにエリシテーションがアクセスするに関する文法知識に関して、これまでのデータおよび考察を整理し、社会言語科学会第23回大会において、「文法知識の多層性-アイルランド英語話者の文の容認判断に関する社会言語学的考察」という題目で研究発表を行った(『社会言語科学会第23回大会発表論文集』,120-123頁,2009年3月)。
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Research Products
(3 results)