2008 Fiscal Year Annual Research Report
Nano-SIMSをもちいた太古代付加体の年代学と海洋化学組成の経年変化の推定
Project/Area Number |
07J06362
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北島 宏輝 The University of Tokyo, 海洋研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | NanoSIMS / U-Pb年代測定 / アパタイト / 希土類元素 / 分配係数 / 火山ガス |
Research Abstract |
二年目である今年度は,初年度に習得した高二次元分解能二次イオン質量分析装置(Cameca NanoSIMS 50)によるU-Pb年代測定を中心に研究を行う一方で,新たにセシウム一次イオン源を用いたハロゲン元素および水素,硫黄の定量分析の分析手法の開発を行った. これまでに行ってきたアパタイトのU-Pb年代測定の結果と,所属研究室である佐野研究室でこれまでに行われてきたNanoSIMSによるモナザイト,ジルコンの年代測定をまとめ,5月に千葉・幕張で開催された日本地球惑星科学連合2008年大会で公表した.また,著者が研究を行ったNanoSIMSによるアパタイト年代測定に関しては,7月にカナダ・バンクーバーで開催されたゴールドシュミット会議で発表され海外の科学者とも議論された.また,中国三峡地域から産する約6億年前のアパタイトからなる胚化石およびSmall Shelly Fossils(SSFs)のU-Pb年代測定を,東工大・小宮研究室と共同で行った結果,SSFsから600Ma付近の年代を得ることができた.また,ジルコン中のガラス包有物のREE測定を行った結果,全岩組成を用いて推定されていたジルコンとメルトとの分配係数を,より正確に求める事ができた.この結果は2009年6月にスイス・ダボスで開催されるGoldschmidt会議で発表される予定である.またその他にも,ジルコンおよびバデリアイトのNanoSIMSによるU-Pb年代測定を共同で行った.一方で,火山岩から過去の火山ガス成分の定量的な見積もりを行うため火山岩中のガラス包有物に注目し,NanoSIMSによる元素分析を試みる共同研究も行った.常圧炉およびピストンシリンダーを用いて作成したガラススタンダードを用いて,水素,炭素,フッ素,硫黄および塩素それぞれに対して検量線を作成することができた.
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Research Products
(3 results)