2007 Fiscal Year Annual Research Report
Nano-SIMSをもちいた太古代付加体の年代学と海洋化学組成の経年変化の推定
Project/Area Number |
07J06362
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北島 宏輝 The University of Tokyo, 海洋研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | NanoSIMS / ウラン-鉛年代 / ジルコン / アパタイト |
Research Abstract |
初年度である今年度は、研究課題を遂行する上で必要不可欠な高二次元分解能二次イオン質量分析装置(NanoSIMS)をもちいた分析法を習得するため、分析実験を中心に研究を行った.まず、はじめにウラン-鉛年代測定法を習得のため、西オーストラリア・ピルバラ地塊から得られた鉛の濃度が高く、比較的測定が容易な太古代の年代を示すジルコンをもちいた.得られた結果は、LA-ICP-MSで得られていた結果と調和的であった.次に高空間分解能でのNanoSIMS分析をおこなう必要のあるコロンビア・ゴルゴナ島産の細粒なジルコンの年代測定を約5μmのビームスポット径で行った.その結果、幅広い年代を示すジルコンが含まれていることが明らかになり、地殻物質のリサイクルが行われている可能性を示唆した.次に、ソロモン諸島から得られたジルコンの年代測定を行った.得られたジルコンのU-Pb年代は、従来報告されている34Maを中心に、ある程度の年代幅を示すことが明らかとなった.また、ウランの量が少ないためU-Pb同位体年代測定が難しいアパタイトについても、NanoSIMSによるU-Pb年代測定法開発を行った.これまでにSHRIMPによる年代が報告されてる試料をもちいて、NanoSIMSによるU-Pb年代測定の結果を評価した.NanoSIMSによる年代測定は、SHRIMPで報告されているものよりも小さい、約20μmのスポット径で測定をおこなうことができ、得られた年代は、誤差範囲で従来報告されているものと一致する. 一方、新たな試みとしてNanoSIMSによる微小領域での希土類元素組成の分析法開発を行った.これまでの分析手法を効果的に組み合わせることにより、前述のソロモン諸島産ジルコンの希土類元素組成分析を行った.その結果、年代差によって、それぞれ希土類元素パターンが異なることが明らかにした.
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Research Products
(2 results)