2008 Fiscal Year Annual Research Report
海洋性好熱菌由来の熱・酸素耐性ヒドロゲナーゼを用いた水素生産システムの開発
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07J06369
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西村 宏 Kyoto University, 農学研究科, DC2
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Keywords | 水素生産 / ヒドロゲナーゼ / 耐熱性 / 酸素耐性 / 酵素固定化 |
Research Abstract |
1.好熱性ヒドロゲナーゼの電気・光化学的解析 深海性εプロテオバクテリアHydrogenimonas thermophilaのヒドロゲナーゼは80℃、pH6.0の条件にて900μl H2/min/mgの水素生産能を有している。本酵素の炭素電極への固定化は、交互積層法(LBL法)、シリカゾルゲルマトリクス法(SG法)を用いた。本電極に-1.5V(Ag/AgCl、pH6.0、80℃)の定電圧を印加し、水素生産を継続的に行なった所、いずれの固定化法においてもH.thermophilaのヒドロゲナーゼでは水素生産を確認することはできなかった。H.thermophilaのヒドロゲナーゼは膜結合型であり、前年度に試験にて水素生産に成功したAeropyrum caminiのヒドロゲナーゼとは生化学的性状が異なっており、固定化作業によって酵素が失活した可能性が示唆された。また、SG法による固定化は水素生産反応液に浸漬直後から剥離が確認されたことが失活の原因と考えられる。両固定化作業はH.thermophilaヒドロゲナーゼには不適であり、他の酵素固定化法を試験すべきである。 2.好熱性ヒドロゲナーゼの成熟化遺伝子群の解析 前年度の研究にてH.thermophilaヒドロゲナーゼをフーリエ変換赤外分光法解析した所、波数2053、2048、2042cm-1に共鳴を示し、3つのシアニド基を有する可能性を示唆した。本酸素耐性機構はヒドロゲナーゼ成熟化遺伝子群の中にhypXという遺伝子を含んでいる可能性があり、それらをH.thermophilaにて解析した。その結果、H.thermophilaのヒドロゲナーゼ成熟化遺伝子はhypA,B,C,D,E,Fから構成され、オペロン上にはhypXを検出できなかった。
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Research Products
(6 results)