2007 Fiscal Year Annual Research Report
海洋性好熱菌由来の熱・酸素耐性ビドロゲナーゼを用いた水素生産システムの開発
Project/Area Number |
07J06369
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西村 宏 Kyoto University, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 新エネルギー / 好熱菌 / ヒドロゲナーゼ / 光触媒 |
Research Abstract |
海洋性超好熱古細菌Aeropyrum caminiの有する耐熱・耐酸素性ヒドロゲナーゼと炭素電極(グラッシーカーボン)間での電子伝達をアンペロメトリーにて試験した。本酵素の炭素電極への固定化は交互積層法(LBL法)、シリカゾルゲルマトリクス法(SG法)を用いた。ヒドロゲナーゼ固定化炭素電極に-1.5V(Ag/AgC1、pH6.0、80℃)の定電圧を印加し、水素生産を継続的に行なった所、LBL法では印加後196時間に渡って水素生産を持続し、水素生産速度は生化学法にて得られた速度の19%に達した。一方、SG法では24時間以内に水素生産速度は検出限界以下となった。 また、A.caminiのヒドロゲナーゼおよび二酸化チタン(P-25)をLBL法およびSG法を用いてスクリューキャップ石英セルに固定化し、80℃、pH6.0の条件にて紫外光(1=254nm)照射したところ、水素生産が確認された。ウシ血清アルブミンを用いた対照区では水素生産が見られなかったため、二酸化チタンとA.caminiヒドロゲナーゼとの電子伝達が行われることが証明された。 深海から分離された好熱性水素細菌Hydrogenimonas thermophilaの有する膜結合型ヒドロゲナーゼを完全精製し、大気に曝露して酸素耐性を調べた。通常の水素細菌が数時間で失活する一方、本酵素は72時間に渡って活性を持続した。そこで、H.thermophilaヒドロゲナーゼをフーリエ変換赤外分光法にて解析した所、波数2053、2048、2042cm-1にシアニド基と考えられる共鳴を示し、3つのシアニド基を有する可能性を示唆した。活性中心のシアニド基の数が酸素耐性に関わる知見がR.eutrophaにて得られており、本酵素の酸素耐性機構も同様であると考えられる。
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Research Products
(2 results)