2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07J06379
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上野 大輔 Kyoto University, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 近世史 / 宗教 / 真宗 / 浄土宗 / 民衆思想 / 長州藩 |
Research Abstract |
本年度、私は、学術雑誌に発表するための論文の作成や、学会での報告を行った。また、課題に関する新たな調査活動も実施し、その成果を論文の作成や学会での報告に活かすことができた。 調査活動としては、自らが所属する京都大学での取り組みの他、山口県文書館(山口市)・照蓮寺(下関市豊北町)・西念寺跡(同市豊田町)・明円寺(同市小月)等へも出張し、史料調査やその他のフィールドワークを実施した。また、山口県立山口図書館(山口市)において地域と関わる文献の調査を実施した。これらの活動を通じて、長州藩地域における宗教の社会的展開や民衆思想に関する有益な知見が得られ、研究を着実に進展させることができた。 以上の調査活動の成果を活かしつつ、論文の作成や学会での報告も行った。本年度学会誌に掲載されることとなった論文には、「近世真宗優勢地帯における浄土宗の思想的機能-鯨回向を手がかりに」(『史林』第91巻第5号、2008年9月)と「日本近世仏教論の諸課題-宗教社会史の視座より」(『新しい歴史学のために』第273号、2009年刊行予定)の2本がある。この他、「長州大日比宗論の展開-近世後期における宗教的対立の様相」と題する論文を作成し、学会誌『日本史研究』へ投稿した。一方、平成20(2008)年4月12日には、日本史研究会近世史部会において、「藤田和敏氏の業績について」と題する報告を大河内勇介氏と共同で行い、次いで同月26日には、京都民科歴史部会の例会において、「日本近世仏教史研究の動向と課題-宗教社会史の視座より」と題する報告を単独で行った。前述の論文「日本近世仏教論の諸課題-宗教社会史の視座より」は、後者の報告をもとに成稿したものである。 また、学会へ出席するため、科学研究費補助金を利用して平成20(2008)年9月に熊本大学へ、同年12月に学習院大学へ、それぞれ出張した。
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Research Products
(4 results)