2007 Fiscal Year Annual Research Report
低熱伝導率系熱電材料を用いた環境調和型高出力発電モジュールの開発
Project/Area Number |
07J06380
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
黒崎 厚子 (小菅 厚子) National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, ナノテクノロジー研究部門, 特別研究員(PD)
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Keywords | 酸化物熱電材料 / 熱電特性 / 機械的特性 |
Research Abstract |
(1)銀タリウム系熱電材料の低温物性に関する研究 低熱伝導率材料である銀タリウム系熱電材料の低熱伝導率機構を解明するため、AgTlTeの低温比熱の測定を1.9K〜300Kの範囲で行った。デュロン・プティの法則により求めたデバイ温度は118Kであり、超音波パルスエコー法で測定された文献値の126Kと比較的よい一致を示した。その他の低温物性についてもデータ収集を行い、さらなる解析を進めてゆく予定である。 (2)酸化物熱電モジュールの機械的強度信頼性向上のための研究 酸化物熱電モジュールの実用化のためには、高い熱電特性を有するだけでなく、モジュール使用環境で耐えうる機械的強度を兼ね備えた材料開発が必要不可欠である。実際に、現在産総研で使用されているCaMnO_3系材料が、発電テスト後(モジュールに温度差をつけた後)に壊れるという問題がおきている。そこでCaMnO_3系材料に延性・展性を示す銀粒子を分散させる事で機械的強度の改善を試みた。その結果、Ag粒子がCaMnO_3系材料に走るクラックの進展を鈍らせたり止めたりする働きをし、CaMnO_3系材料の機械的強度を大幅に向上させる事に成功した。また、Ag粒子をCaMnO_3系材料に分散させる事で、複合材料としての熱膨張係数が電極であるAg単体の熱膨張係数に近づく事が実験的に確かめられた。この効果により、発電時(モジュールに温度差をつけた状態)に熱電酸化物(CaMnO_3系材料とAgのコンポジット材料)と電極(Ag)の接合部に発生する熱応力が緩和され、モジュールとしての機械的な信頼性も向上される事が期待される。
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Research Products
(7 results)