2007 Fiscal Year Annual Research Report
ASR抑制のための各種混和材の適正混入率の機構的解明
Project/Area Number |
07J06475
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
川端 雄一郎 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 特別研究員(PD)
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Keywords | フライアッシュ / 高炉スラグ微粉末 / アルカリシリカ反応(ASR) / 膨張制御 / 岩石学的評価 |
Research Abstract |
本研究は,フライアッシュおよび高炉スラグ微粉末といった混和材を混和したセメントペーストについて,熱分析,XRD,選択溶解および29Si MAS NMRの組み合わせによる相組成解析を行い,硬化体の空隙水組成との関連性について評価した。また,反応性骨材を使用したモルタル・コンクリートのアルカリシリカ反応(ASR)による膨張量試験を行い,混和材のASR抑制効果を評価した。 その結果,混和材の混入によりC-S-HのCa/Si比が低下し,その低下割合は混和材のガラス相の組成と表面積に依存すること,Al_2O_3リッチな組成の混和材はC-S-HへのAl同形置換によるアルカリ固定が生じていること,の2点が相組成解析から明らかになった。混和材の混入によって空隙水のOH濃度は低下し,これは上述した相組成の変化によるものであることが明らかになった。フライアッシュを混和したペーストのC-S-HのCa/Si比は,本研究で提案した指標αによって整理することが出来た。指標αはフライアッシュの比表面積,ガラス相のシリカ量,単位ペースト体積あたりのフライアッシュ割合の積で表される。実際に反応性骨材を使用したモルタル・コンクリートのASR膨張量試験では混和材の混入によって抑制効果が認められたが,その効果には品質による差が認められた。ASR膨張制御効果について本研究で提案した指標αを用いて整理すると,良好な相関関係が認められた。 また,反応性骨材のASR膨張性はシリカ鉱物の溶解度のpH依存性に大きく依存することを明らかにした。すなわち,混和材の適正混入率はシリカ鉱物の溶解を抑えるpHまで低減する必要があり,そのための混和材の品質基準について明確にした。
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Research Products
(7 results)