2007 Fiscal Year Annual Research Report
生体内に移入した生体物質標識マーカーとしての蛍光ナノ粒子の応用
Project/Area Number |
07J06478
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
星野 昭芳 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ナノ粒子 / カンタムドット / 蛍光 / 遺伝子導入 / バイオイメージング / マクロファージ / 炎症 |
Research Abstract |
本試験は、一桁ナノメートルサイズの蛍光半導体ナノ粒子(カンタムドット:QD)を生物・医療分野へ応用可能な形態に表面を加工・修飾することで、薬物伝達システムの開発を可能することを目的とする。現在のところ、遺伝子治療あるいはドラッグデリバリーシステム(DDS)において遺伝子・薬物の体内への導入担体として検討されているのは、大きくウィルスまたはリポソームに大別される。なかでもウィルス担体に関してはいち早く臨床研究まで到達したものの、その後病原性など担体の安全性の問題からその後の研究は停滞を余儀なくされている。 この研究では、蛍光半導体ナノ粒子を、特定の細胞に薬物や遺伝子を選択的に導入するために用いる非ウィルス・非リポソーム系の新規遺伝子/薬物導入担体実験としての使用法を確立することを最終目的とする。本年度は、蛍光半導体ナノ粒子に薬物・生理活性物質を結合させた機能的複合体を作成し、in vitroにおける薬効について解析した。蛍光半導体ナノ粒子に遺伝子を結合させた遺伝子導入担体を作成した。これを、すでに蛍光粒子QDがエンドサイトーシスによって取り込まれることが判明している上皮系培養細胞であるヒトHEK293細胞の培養系に添加し、標的遺伝子の発現の有無を検討した。 結果、ナノ粒子QDに遺伝子のみを結合させた担体においては、細胞に遺伝子の発現が確認できなかった。一方、同時にナノ粒子表面に核内移行性をもつシグナルペプチドを付加することで、細胞に遺伝子を導入・発現させることが可能となった。これらのことから、少なくともin vitroにおいては遺伝子を細胞内に導入し、かつ継続的に発現させることが可能であった。 上記のほかに、蛍光ナノ粒子QDを細胞の蛍光標識体として用いてマクロファージに導入し炎症時におけるマクロファージの体内動態を、またタンパク質の標識体として自己免疫性の血管炎・糸球体腎炎を発症する動物モデルにおける自己抗体の体内動態を、それぞれ解析し、病態への関与を観察した。 これら技術は、蛍光ナノ粒子QDを単なる蛍光標識体としてのみならず、10ナノメートル以下という微小粒子の特徴を最大限に活用し遺伝子等を運搬する担体としても活用可能であることを示し、材料工学的・分子生物学実験的に、また医療技術的にも重要であると考えている。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] TrafHcking of QD-conjugated MPO-ANcA in Murine Systemis Vasculitis and Glomerulonepluitis model mice2007
Author(s)
Hoshino A, Nagao T, Ito-Ihara T, Ishida-Okawara A, Uno K, Muso E, Nagi-Miura N, Ohno N, Tokunaka K, Naoe S, Hashimoto H, Yasuhara M, Yamamoto K, Suzuki K.
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Journal Title
Microbiology and Immunology 51巻5号
Pages: 551-566
Peer Reviewed
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