2009 Fiscal Year Annual Research Report
アセトアミノフェン肝障害の発症メカニズムの解明および遺伝子治療に関する研究
Project/Area Number |
07J06479
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
西田 直史 Tottori University, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | アセトアミノフェン肝障害 / マウス初代培養肝細胞 / アデノウイルスベクター / リン脂質ヒドロペルオキシドグルタチオンペルオキシダーゼ |
Research Abstract |
21年度はすでに構築した3種類(ミトコンドリア型、非ミトコンドリア型、核小体型)のリン脂質ヒドロペルオキシドグルタチオンペルオキシダーゼ(PHGPx)遺伝子導入アデノウイルスベクターによるオルガネラ特異的PHGPxの発現確認。さらにオルガネラ特異的なPHGPx高発現が認められた非ミトコンドリア型PHGPx遺伝子導入アデノウイルスベクターを用い、PHGPx遺伝子高発現肝細胞のアセトアミノフェン肝細胞障害に対する効果の評価を行った。 1.PHGPx高発現肝細胞におけるPHGPx発現のオルガネラ特異性の評価 本研究の最終目的は膜脂質過酸化を抑制する3種類のPHGPx(ミトコンドリア型、非ミトコンドリア型、核小体型)をオルガネラ特異的に発現させたマウス初代培養肝細胞を用いて、アセトアミノフェン肝障害の発症機序を解明することである。昨年度までにミトコンドリア型、非ミトコンドリア型、核小体型PHGPx遺伝子導入アデノウイルスベクターを作製、精製を行い、マウス初代培養肝細胞への感染を行った。その結果、whole cellにおいてPHGPxの高発現をウエスタンブロット法により確認できた。本年度はそれらPHGPx高発現肝細胞がオルガネラ特異的にPHGPxを発現しているか確認を行った。 遠心分画法により細胞を核画分、ミトコンドリア画分、その他の画分に分離し、それぞれの画分においてPHGPx遺伝子の発現を解析した。その結果、非ミトコンドリア型においてミトコンドリア画分以外でのPHGPx発現増加が認められた。一方で、ミトコンドリア型、核小体型においては全ての画分でPHGPxの発現が増加していた。それぞれの画分の純度は各種分子マーカーを用いて評価した。 2.非ミトコンドリア型PHGPx高発現肝細胞におけるアセトアミノフェン毒性の評価 非ミトコンドリア型PHGPxアデノウイルスベクターをマウス初代培養肝細胞に感染させ、PHGPxを高発現させた肝細胞にアセトアミノフェン処理を行い細胞生存率の評価を行った。アデノウイルスベクター感染の12時間後に10mMアセトアミノフェン処理を行い、12時間後の細胞生存率をWST-8法で測定したところPHGPx高発現細胞において有意な細胞死の抑制効果は認められなかった。
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Research Products
(2 results)