2008 Fiscal Year Annual Research Report
アセトアミノフェン肝障害の発症メカニズムの解明および遺伝子治療に関する研究
Project/Area Number |
07J06479
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
西田 直史 Tottori University, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | アセトアミノフェン肝障害 / マウス初代培養肝細胞 / アデノウイルスベクター / リン脂質ヒドロペルオキシドグルタチオンペルオキシダーゼ |
Research Abstract |
20年度は核小体型リン脂質ヒドロペルオキシドグルタチオンペルオキシダーゼ(PHGPx)遺伝子導入アデノウイルスベクターの精製、マウス初代培養肝細胞への感染および発現チェックを行った。さらにマウス初代培養肝細胞におけるアセトアミノフェン(APAP)障害モデルの確立を行った。 1.核小体型PHGPxアデノウイルスベクターの精製 昨年度はミトコンドリア型および非ミトコンドリア型PHGPxアデノウイルスベクターを作製、精製を行い、マウス初代培養肝細胞への遺伝子導入を行った。本年度は残りの核小体型PHGPxアデノウイルスベクターの精製、遺伝子導入を行った。作製は、本大学生命科学科分子生物学教室と共同で行った。 2.核小体型PHGPx遺伝子の初代培養肝細胞への導入 核小体型PHGPxアデノウイルスベクターをマウス初代培養肝細胞に感染させ、PHGPxの発現をウェスタンプロット法にて測定した。アデノウイルス感染後、細胞を回収しPHGPxの発現を調べたところ、PHGPxアデノウイルス感染細胞において発現増加がみられた。対照群としてLacZアデノウイルスを感染させたがPHGPx発現への影響はみられなかった。これにより、マウス初代培養肝細胞に3種類のPHGPx(ミトコンドリア型、非ミトコンドリア型、核小体型)を高発現させることが可能となった。 3.APAP障害モデルの確立 マウス初代培養肝細胞にAPAPAを添加し、障害モデルを確立した。障害の指標として細胞生存率、肝細胞内グルタチオン量、過酸化脂質量を測定した。APAPは1-10mMの濃度で検討した。10mM APAP添加12時間後、細胞生存率は約50%まで減少した。また細胞内グルタチオン量はAPAP添加1時間後に有意に減少した。過酸化脂質量はAPAP添加3時間後から増加し、12時間後に約3倍に増加した。これらの結果から、10mM APAPでマウス初代培養肝細胞に障害を起こすことが確認された。
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Research Products
(4 results)