2007 Fiscal Year Annual Research Report
血管機能改善ペプチドの生理作用解明と多疾病対応型予防食品の創製
Project/Area Number |
07J06499
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田中 充 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 特別研究院(DC1)
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Keywords | 多疾病対応型予防食品 / 血管機能改善作用 / ペプチド / 高血圧 |
Research Abstract |
血管弛緩作用を有するペプチド(Val-Tyr)の発見を契機として、本研究では、高血圧改善のみならず、動脈硬化予防にも効果を発揮すると考えられる多機能性ペプチドによる多疾病改善作用を有した新たな食品(Multifunctional foods:高血圧、動脈硬化、糖尿病の同時予防)の開発を目的とした。今年度は新たに見出された血管機能改善作用に関する詳細な知見の獲得を行った。 1.血管弛緩作用を有するペプチドの網羅的解明(構造-活性相関の解明) 67種類に及ぶペプチドをFmoc固相合成法により合成し、それぞれの血管弛緩作用をSDラット由来胸部大動脈血管を用いた血管張力測定により評価した。その結果WHを始めとする血管弛緩性ペプチドが同定され、その特徴的構造の一つとして、N末端におけるTrp残基の存在が血管弛緩作用に重要である事があきらかとなった。この結果をもとに、さらなる構造的特徴(鎖長、立体構造等)に関する知見の獲得を目指す。 2.ラット血管標本を用いたCalmotideの血管弛緩作用のex vivo実証 血管弛緩作用を有するペプチドであるWHにおいて、内皮の有無及び各種阻害剤(Enalaprilat;ACE阻害剤,Nifedipine及びVerapamil;電位依存性L型Caチャンネルブロッカー)の影響を検討したところ、WHの血管弛緩作用は内皮非依存的であり、さらにVerapamil(Phenylalkylamine系)存在下の血管においてその作用は有意に減弱する事が明らかとなった。このことは血管弛緩性低分子ペプチドであるWHが電位依存性L型CaチャンネルにおけるVerapamilと同様の部位に作用している事を示唆している。
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Research Products
(4 results)