2008 Fiscal Year Annual Research Report
血管機能改善ペプチドの生理作用解明と多疾病対応型予防食品の創製
Project/Area Number |
07J06499
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Research Institution | Kyushu University |
Research Fellow |
田中 充 Kyushu University, 大学院・農学研究院, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 多疾病対応型予防食品 / 血管機能改善作用 / ペプチド / 高血圧 |
Research Abstract |
天然低分子ペプチド(Val-Tyr)における新規血管機能改善作用の発見を契機に、高血圧の改善のみならず動脈硬化予防やインスリン抵抗性改善などの多機能性を有したペプチドに関する研究を行ってきた。今年度は新たに見出された血管機能改善作用を有するペプチドとその構造的特徴及び作用機序に関する詳細な検討を行った。 1.血管弛緩作用-構造相関の解明 これまでに見出した血管弛緩性ペプチドであるWHを基本構造とした種々のペプチドをFmoc固相合成法により合成し、それぞれの血管弛緩作用をSDラット由来胸部大動脈血管を用いた血管張力測定により評価した。その結果WHを基本構造としたペプチドにおいてはトリまでのペプチド鎖長が重要であり、トリペプチドの血管弛緩性発現にはN末端Hisの存在、特にイミダゾール環プロトンの存在が重要であると推察された。 2.新規内皮非依存的血管弛緩作用を有するペプチド(Calmotide)の作用機序解明 本研究で見出されたWHの血管弛緩作用は内皮及びACE阻害作用非依存的であること、さらにベラパミル(Phenylalkylamine(PAA)系L型Ca^<2+>チャンネルブロッカー)存在下におけるWHの作用が有意に減弱する事が明らかとなった。このことは、WHがベラパミルと同様の部位に結合している事を示唆していると考えられる。しかしながら、Murphyらの報告(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,80,860-864,1983)によると、Verapamilと結合位置が異なるDihydropyridine(DHP)系のブロッカーはPAA系の薬剤と互いにアロステリック阻害を示す。このアロステリック阻害作用を勘案すると、WHはDHP系の薬剤結合部位に作用している可能性も考えられる。
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Research Products
(4 results)