2007 Fiscal Year Annual Research Report
ホヤ由来のVanabin2の金属選択性と金属還元能
Project/Area Number |
07J06518
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
川上 了史 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ホヤ / Vanabin2 / バナジウム / 酸化還元 / ジスルフィド結合 |
Research Abstract |
本年度は、ホヤから単離されたバナジウム結合タンパク質Vanabin2について、(1)9対のジスルフィド結合が還元剤で還元されるか否か、また、(2)Vanabin2に五価バナジウムを還元する能力があるか否かを調べる目的で以下の研究を実施した。 (1)還元剤を用いたVanabin2のジスルフィド結合の還元 電気泳動の解析により還元剤の2-メルカプトエタノール(2-ME)、またはグルタチオン(GSH)のいずれもがVanabin2のジスルフィド結合を還元できることを明らかにした。さらに、円二色性(CD)スペクトルを用いた解析により、1mMの2-MEまたは2mMのGSH存在下で、9対のジスルフィド結合うち、いくつかが還元された還元中間体を形成することを明らかにした。 (2)Vanabin2の五価バナジウム還元能 2mMのGSHで処理したVanabin2に五価バナジウムを加えると、五価バナジウムは四価バナジウムに還元されることを、電子スピン共鳴法(EPR)によって明らかにした。さらにこの五価バナジウムの還元反応は、生体に重要なペントースリン酸経路から産生されるNADPHを出発点とした、一連の酸化還元カスケードに組み込まれ得ることを明らかにした。 これらの結果を踏まえ最終年度となる来年度は、Vanabin2のジスルフィド結合の酸化還元と五価バナジウム還元の分子メカニズムの解明についてさらに検討を進めたい。
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Research Products
(2 results)