2007 Fiscal Year Annual Research Report
森林性コウモリ類の生息環境とその決定要因 〜コウモリ保全に向けた森林管理手法の提案〜
Project/Area Number |
07J06525
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
福井 大 Forestry and Forest Products Research Institute, 特別研究員(PD)
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Keywords | コウモリ / 台風攪乱 / ギャップ / 採餌空間 |
Research Abstract |
初年度の課題として,コウモリ類が森林環境の改変に対してどのような応答をするかを明らかにする研究をおこなった.森林環境の改変に対するコウモリの応答については,人為的な改変(伐採や造林など)に関しては海外での研究が比較的多いが,自然攪乱に伴う改変についてはほとんどおこなわれていない.人為的改変の影響を評価する上でも,自然攪乱の影響をみることは極めて重要である.今回「森林環境の改変」として,台風によって生じたギャップを対象とし,そのサイズの変化に伴う,コウモリ類の活動頻度の変化を野外調査によって調べた. 具体的には,調査地の落葉広葉樹林に22箇所の調査プロットを設定し(このプロットは様々なサイズのギャップ内に設定された),そこで5〜7月にかけて各プロット6回ずつのコウモリ調査をおこなった.コウモリ調査では,日没から日の出にかけて,各種コウモリ類の通過数をカウントすることによって,コウモリの活動頻度とした. その結果,ギャップサイズに対する反応は大きく以下の3つのパターンに分けることが出来た.1:ギャップサイズと利用頻度に明確な関係が見られない種.2:中程度のギャップサイズで利用頻度が高い種.3:ギャップサイズが大きくなると利用頻度が低下する種.これら3つのパターンは,それぞれの種の形態的特徴とよく対応している.本研究の結果は,生息空間の物理構造がコウモリの採餌場所を決定し,局所的な種組成を決定する重要な要因であることを実証すると同時に,コウモリ類の特徴である翼と音声の構造が,コウモリ群集の空間分布を決定する主要因であることを示唆する.
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