2008 Fiscal Year Annual Research Report
森林性コウモリ類の生息環境とその決定要因〜コウモリ保全に向けた森林管理手法の提案〜
Project/Area Number |
07J06525
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
福井 大 Forestry and Forest Products Research Institute, 北海道支所, 特別研究員(PD)
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Keywords | コウモリ / 採餌行動 / ねぐら |
Research Abstract |
2年目の課題として、コウモリ用実験網室内での採餌行動観察実験をおこなった。一般的に、食虫性コウモリ類は、反響定位(エコーロケーション)を用いて餌昆虫を探索・定位することが知られているが、一部には視覚や聴覚を併用して採餌している種が知られている。こうした、探索方法の多様化は、種のニッチ幅の拡大につながり、分布域の拡大や多種共存の重要な要因になると予測される。本年度の実験では、北海道内で広範囲に分布しているテングコウモリ及びコテングコウモリを網室内部に放逐し、様々な条件の餌を与えることによって、エコーロケーション・視覚・聴覚・嗅覚のうちのどの能力を使って餌を認識しているのかを明らかにしようとした。 現在、行動を録画したビデオを解析中なため、具体的な結果は明らかになっていないが、本実験の結果によって、コウモリ類が多様化した要因の一つが明らかになるものと思われる。 また、コテングコウモリについて、ねぐら環境を明らかにするために、5個体に実験終了後に電波発信機を装着し、捕獲場所で放逐した。追跡は各個体5〜14日間おこなうことができ、ねぐら環境を明らかにすることができた。その結果、ほとんどのねぐらが森林の樹冠部に位置しており、さらに、各個体がねぐらを毎日ないし2日ほどで移動していることが明らかになった。これは、コテングコウモリのねぐら環境がそれほど制限されていないことを意味し、本種の分布環境の広さを説明する一要因であると考えられる。
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