2007 Fiscal Year Annual Research Report
加圧熱水処理によるリグノセルロースからのバイオエタノール生産
Project/Area Number |
07J06528
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
仲田 利樹 Kyoto University, エネルギー科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 加圧熱水処理 / リグノセルロース / バイオエタノール |
Research Abstract |
本研究の目的は、加圧熱水処理によるリグノセルロースからの効率的なバイオエタノール生産方法を確立することである。微粉砕した木粉試料を加圧熱水処理によりセルロースを含む画分とヘミセルロースを含む画分とに分画した後、それぞれの画分に対して酵素糖化、酵母による発酵を施しエタノールを生産することを試みる。この過程において、加圧熱水処理により得られるヘミセルロースを含む画分からのエタノール生産は、先行する研究例がないため最優先の研究課題と考えられる。したがって、研究計画ではこれを初年度の主要な課題とした。初年度は、まずヘミセルロースを含む画分の酵素糖化およびアルコール発酵について検討した。その結果、以下に示す知見が得られた。(1)加圧熱水処理により得られるヘミセルロースを含む画分からのエタノール生産において、酵素糖化とアルコール発酵を統合した並行複発酵(Simultaneous saccharification and fermentation;SSF)を行うと、それらを別々に行う揚合に比べて、エタノール生産効率が向上した。また、この並行複発酵における阻害の改善処理として、アルカリ、木質炭化物、酢酸エチルを用いた処理を比較検討した結果、木質炭化物を用いた処理がエタノール生産効率の向上という点で最も効果的であった。(2)ヘミセルロースを含む画分の酵素糖化において、キシラナーゼおよびβ-キシロシダーゼによるキシロース生産、および加圧熱水処理の処理条件と酵素糖化の効率について検討したところ、いずれの加圧熱水処理条件についてもキシラナーゼに比べてβ-キシロシダーゼの方がキシロースへの変換効率が高かった。これらの知見は、エタノール生産の効率を向上させる上で有用な知見であると考えられる。
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Research Products
(1 results)